2009年7月17日金曜日

穂高岳(2)

上高地の絶景をあとに登山道は急な岩場へ。
今まで経験したことのない岩登りにはらはらどきどき。四本の手足をすべてつかって岩にはりつくように登ります。道のすぐむこうは底の見えないくらいの深い谷。下を見てしまうと背筋がゾッとしてしまいます。それでもがんちゃんは楽しいといってどんどん登っていきます。
標高は2500を越え空気もかなり薄くなりぼくの一歩一歩のあしどりはだんだん重くなります。
霧もかかりはじめ自分の足元を見つめるのがやっと。気温も10度を下回りはじめました。それでも少しづつ景色のかわってゆくのを見ながら一歩ずつぼく達の足は着実に山頂に向かって近づいていることを実感していました。

真っ白な霧と風が吹き荒れる奥穂高の山頂でがんちゃんと二人アースジャンプをする、元気もなく(笑い)、それでも3190mという険しい山の頂点をきわめたという喜びを心のなかで静かにかみしめながら穂高岳山荘への道を急いだのでした。
風でばたつくテントのなかで体を寄せ合って一夜を過ごし、朝テントのファスナーをあけると、うっすらと明るくなりはじめた空の下北アルプスの壮大な峯みねの間から太陽がゆっくりと上がってきました。
その瞬間昨日の登りの苦労がすべて飛んでいってしまうくらいの幸福感でいっぱいになりました。
この美しい景色を見るためにぼく達はここに来たんだなと。

地球は、日本は、本当に美しい。
ぼく達にはこの美しい地球を未来に繋ぐ責務があるのだと北アルプスの山々が語ってくれているような気がしました。

しゅん

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